リセットのボーダー


私は 海に突き出した
小高い岬の灯台のようなところにのぼり
遠くの水平線を眺めています。

灯台から少し離れた芝生の上にも
腰を下ろして
波を眺めている沢山の人がいます。


ぼちぼち ここを離れて
遠くの山に登ろうかと
立ち上がるグループもあります。








今、ここに向かって
上り坂を歩いてくる人たちがいて

その数は 日増しに増えています。





でもその上り坂を
引き返していく人もいます。

重い荷物を背負ってきたのですね
歩き疲れてしまったのでしょうか


どうしても
その荷物
捨てては来れなかったのね…
置いてはこれなかったのね…





遠くで
大波が
こちらにむかって
飛沫をあげています。

うなりが うねりを巻き込んで
それはそれは
大きくて高い壁の様です。






以前の私は
もときた道をひきかえす
そんな人に

ロープを投げて
引っ張ってみたり

自分が そこまで降りていって
後ろを押したりして




…そして
一緒に
くたびれてしまっていました😭



指先や
肌は荒れて
足腰もボロボロに…



もともと そんな仕事には
向いていなかったな、と
今ならわかります。




それでも
何度も呼びかけて
せめてその顔を

水平線のかなた
沖にむける
手伝いをしたかった…

自己満足だったのかもしれません。





遊びを続けると決めた人を
もう
ここまで連れてはこれない

ましてや
自分にとっても未知の世界である
この先へは
連れてはいけない


諦めて
わたしは ここに
一人でのぼってきたのです。




今は

あの大波が くるのは
いつなんだろう…

眺めているだけの日々。






浜でバーベキューをしたり
貝殻を拾ったり
砂の城を作って
楽しんでいる人が
大勢います。


たまに
その人の群れが
砂の粒のように見える事もあります。



大波が来た時…

あの人たちも
砂のお城も
集めた貝殻も

すっかり飲み込まれて
跡形もなく どこかへ
さらわれていくのかしらん



きっと
そうなのでしょう。





波が引いた後は
すっかり
何事もなかったかのように
美しい浜辺が広がり
海亀が上がってくるのかしらん

きっと
そうなのでしょう。






貝殻を集めたり
どうやって魚を獲ろうかと
お喋りしたり

砂を固めて どんどん砂の城を
大きくしている人たちは
とても楽しそうで
笑顔は輝いています。

幸せそうに見えます。





あと数日なのか
数ヶ月なのかは
わからない

でも こちらに向かう大きな波は
ここからハッキリと見えています。






境界線に佇んで
そんな世界をみている私も

誰かの見る夢の中の登場人物の1人。





永遠の退屈の中で
その誰かは 
何層にも重なった次元のなかで
沢山の夢を生み出し続けているのでしょう





そんな夢をみた今朝です。










Cheers!by masamin

しくみを知る人 「見えない世界の見える世界への影響と その仕組み」 についてナビゲートしています。

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